年取った

好きなアーティストが

永遠はない、終わりはくる
って歌ってる
 
今日もヘアパックをして
ボディスクラブを裸に塗り込んで
女の子の匂いのするボディクリームで身体を包む
こんな可愛い匂い、いつか嗅がせてやりたいと思う
女の子になった裸をモコモコのジェラートピケに閉じ込めて
幾分サラサラになった髪の毛を乾かす
言わせてやりたい、サラサラの髪が好きだって
 
ブラジャーを手洗いなんかしちゃって
形を整えて部屋に干す
こんなことしたことなかった
ブラジャーから滴が落ちる
滴を見つめて、タオルに落ちる音を聞いて
明日には乾いてるかなって考える
 
身体は乾かないように
髪の毛は乾かして
ブラジャーは乾かして
 
渇きたくないな
渇いてくのかな
それよりもまず潤ってたんだろうか
潤ってた時があっただろうか
 
スケジュール帳を開いて予定のない日を見つめる
少しは大人しく過ごそうと思っていたのに、何か予定いれたいな、いれなきゃという焦りに駆られる、あいつはいつだって忙しいのに
あぁなんか悔しいな、何で負けてるって思うんだろう、最初から一度だって争ってないのに
 
手を繋いで街を歩いて
お休みの日に映画を観てオシャレなお店でディナーなんかしちゃって
そんなことしなくたっていいのよ
 
 
痩せて可愛くなって
キレイになって
気に入られたいが為の服を着て
少しでもオシャレに見せたくてアクセサリーつけて
どんな格好が好きなんだろうとか
どんな髪型なら受けがいいかなとか
疲れるけどやっぱりヒールがいいかなとか
メイクはどれくらいしたらいいかなとか
あーあ、めんどくさい
めんどくさいなぁ
既読になったかなぁなんて送った後に気にして見返しちゃったりとか
あーこんな文送らない方がよかったかなぁとか
なんであんなこと言ったんだろとか
もっと可愛く言えたかなぁとか
なんであの時あんな格好で行っちゃったんだろうとか
あーーめんどくさい
 
それでもやっぱり毎回同じことを考えながらまた繰り返す
あーだこーだブーブー言いながらやるの
 
始まってもないのに
終わりは来るだなんて
そんな悲しいこと言わないでよ
ブラジャーから滴が垂れなくなった
ほら、もう乾いてきた
さっき塗ったばかりの化粧水も乳液もボディクリームも、常に乾いていってる
急ぐ必要はないけど、でも絶対的に限られててタイミングで運命で掴まなきゃいけないチャンスは一瞬で
言いたいこと、言わない方がいいこと、言わなきゃいけないこと、
区別をつけるのはあまりにも難しい
 
ほーら、そんなこと考えててまためんどくさくなってくるの
自分の気持ちに素直に
だなんて呆れるくらい自分勝手
だけどそれ以外に方法がないし、そうしたいし、みんなそうあってほしいと思う
言いたいことは言う
やりたいことはやる
嘘つけないのよごめんね
 
色んな形があっていいと思うの
パターンは一通りじゃない方が面白い
間違いじゃない
間違ってない
だいじょうぶ、だいじょうぶ
昔からこの言葉で救ってきたし救われてきたしいつだって頼って頼られてきた
だからだいじょうぶ、これからもずっとだいじょうぶ